前回の記事で「寒試し」に関する説明をしましたが、
今度は実際にエクセルを使ってグラフを作っていきます。

前回の記事:一年間の天候の予測推移する「寒試し」とは?

仕上がりは、こんなグラフです。

寒試しのグラフ

では、このグラフの元になる表を作ってみましょう。

データを取得する

まずは、国立天文台と気象庁から、必要なデータを調べます。
国立天文台では、今年と過去3年分、計4年分の小寒と立春(大寒の終わり)の日時を調べます。

2008年~2011年までのデータはこのようになっています。
この分のデータはこちらでOKです^^

  • 2011年
    小寒:2011/01/06 01:55 立春:2011/02/04 13:33
  • 2010年
    小寒:2010/01/05 20:09 立春:2010/02/04 07:48
  • 2009年
    小寒:2010/02/04 07:48 立春:2009/02/04 01:50
  • 2008年
    小寒:2008/01/06 08:25 立春:2008/010/6 08:25

次に、気象庁のサイトで、今年と過去3年分の、
それぞれの小寒から立春までの気温データを取得します。
気象庁のサイトは、下のようになっています。

気温データ

これは、各地域にある気象台がデータを出していますので、
「都道府県を選択」のところから自分の畑に近い場所を選び、
気象データを調べます。

ここからまず、自分の近い場所にある気象台を選びます(図1)。
そして次に、今年の小寒の日を選び(図2)、その日の1時間毎の値を表示します(図3)。

そうするとその日のデータが表になって表示されるので、
これをエクセルに表ごとコピペします。(一つずつ打たり、コピペしなくても良いですよ^^;)

この表をさらに立春の日までコピーし、縦に貼りつけていきます。
これをさらに、過去3年分も同じようにデータを取得していきます。

表を整理する

全部のデータを貼ったら、時間と気温(必要なら降水量も)以外のデータは削除します。
整理すると、データの一部ですが、下のような図になりました。
(クリックすると大きくなります)

エクセルデータ

左側の「過去3年平均」はこれから計算して出すので、後で説明します。

各年度のF、K、P、U列のセルは、小寒の始まりの時間をカウントしています。
今回は立春(大寒の終わり)まで、709時間ありました。

セルの背景が灰色になっているのは、小寒の始まりの時間より前のデータなので、
グラフには使いません。
削除しても構わないデータなのですが、太陽暦の1日の時間を合わせるためにとっただけです。

過去の平均気温を計算する

次に、セルの左側の「過去3年平均」の「平均気温」を計算します。
まず、「平均気温」ですが、これは小寒の時刻から大寒の終わりまでの、
過去3年分の時刻を合わせて計算します。

図の場合だと、

B1=(M23+R17+W11)÷3
= (4+8.5+1.3)÷3
=4.6

となります。
エクセルの計算式で表すと、

AVERAGE(M23,R17,W11)

でOKです。
その下も同じように、

AVERAGE(M24,R18,W12)

と、一つずつずらしていけばOKです。
最初の2つを作れば、後はコピペでいけます。

一見難しそうですが、単純に3で割って平均してるだけですね^^

過去の平均気温を3時間の移動平均する

次に移動平均です。
計算は全てB列のデータを使います。

  1. 1番目のC4はそのままB4のデータにします。
  2. 2番目のセルの計算式は、C5=SUM(B4:B6)/3
  3. 3番目のセルの計算式は、C6=SUM(B5:B7)/3

このように、C5から前後一時間分の3つのデータを足して、3で割ります。

移動平均の意味の詳細は前回の記事をご覧ください。
前回の記事:一年間の天候の予測推移する「寒試し」とは?

3番目まで計算式を作れば、後はコピペでできます^^

これでデータは揃いました。
あとはグラフにするだけです♪

表のデータをグラフにする

最初のグラフと同じグラフです。
これを作っていきます。

寒試しのグラフ

まず、青い線ですが、これは今年の気温です。
表で言うと、H5からH713までのデータです。
709時間分ですね。

赤い線は3年分平均の3時間移動平均。
C4からC712までのデータです。

横軸はA4からA712までの「時間」なのですが、
709を24で割ると(二十四節気に分ける意味で)
29.5・・・という数字になるので、幅を29間隔にしています。

設定方法は、横軸を右クリックして「軸の書式設定」を選び、
「目盛の間隔」と「感覚の単位」を29にするとできます。

グラフから気象を分析する

では、作ったグラフを分析します。
注目すべきポイントに赤丸をつけてみました。

寒試しのグラフ
(クリックすると大きくなります)

横軸の一番初め、”1″の位置は”立春”に当たります。
2011年の場合は2月4日です。

そこから二十四節気ごとに目盛をわりあてているので、
2目盛あたりで1ヶ月と思って良いでしょう。

図の数字の部分ごとに説明すると、以下のようになります。

  1. 3月に入ってから寒暖の差が激しい。
  2. 4月の終わりごろに霜が降りる。花冷えするかもしれない。桜が咲いているのに雪が降る可能性も。
  3. 初夏が結構温かくなる。
  4. 一時期気温が低くなって持ち直す。
  5. 10月の終わりごろからがくっと気温が低くなり、年内の冬は寒くなる。11月ごろ雪がガンガン来る可能性がある。

ということがわかります。
秋は平年値のようですね。

このように、気温の関係からやるべき対策が予想できます。

また、降水量に関しても全く同じ方法でできますので、
雨に対する対策もできます。
このデータが当たっているかどうか、楽しみですね♪

ぜひご自分の地域のデータを調べてやってみて下さい^^